2019年度は、

引き続きIoTセキュリティのフレームワーク及びアプリケーションの研究開発に取り組む。研究開発した成果を国際学会や論文誌に投稿する。また、各方面との連携についても模索していく。

WP4|実施報告

IoTセキュリティのフレームワークの研究開発

安心・安全なIoT空間を実現するアプリケーションを開発するために、ブロックチェーン技術に注目したフレームワークの研究開発を行った。基本的な研究方針として、ブロックチェーン技術の課題を解決する手法を提案しフレームワークに取り入れてきた。

[ これまでのブロックチェーン技術の課題解決への取り組み ]

強み データの改ざん耐性、安全性の高い情報共有手法などのセキュリティ面
弱み 高い計算能力、計算に必要な消費電力やデータを収容する大容量のストレージが必要
課題解決 [icon name=”angle-double-down” class=”” unprefixed_class=””] デバイス同士の大量通信データをブロックチェーンで共有していく場合のデータサイズ肥大化を抑えるアルゴリズムを提案

[icon name=”angle-double-down” class=”” unprefixed_class=””] デバイス間に悪意のある機器(ウイルス感染含む)が混ざっていた場合でも、問題なく分散計算が実現できるフレームワークを研究開発

[icon name=”angle-double-down” class=”” unprefixed_class=””] 計算資源の有効活用を目指してPoWに代わる遺伝的アルゴリズムを用いた新アルゴリズムを提案

2019年度は、ブロックチェーンと外部データの連携の課題を解決する手法に取り組んだ。この課題は、オラクル問題と呼ばれているものである。本問題を解決する手法として、複数のユーザーで合意形成を行い、データの信頼性を確保する分散型オラクルの手法を提案した。またその提案手法を実装し、先行研究の結果と比較して優れた結果が得られた。この研究はインドの研究者と議論して取り組み、その研究成果を共著でまとめた。

IoTセキュリティのアプリケーションの研究開発

前述のフレームワークを利用して、スマートビルディングなどのSociety 5.0社会を対象としたアプリケーションの研究開発を行った。

2019年度は次のような内容で取り組んだ。

[icon name=”angle-double-right” class=”” unprefixed_class=””] エネルギー管理

スマートビルディングを想定したエネルギーの管理を行うアプリケーションの研究開発を進めた。研究途中の成果を発表した。

[icon name=”angle-double-right” class=”” unprefixed_class=””] ボランティアコンピューティング

引き続き、IoTを利用したボランティアコンピューティングのアプリケーションの研究開発を進めた。この研究成果を発表した。

[icon name=”angle-double-right” class=”” unprefixed_class=””] 自動運転者の交通管理

Society 5.0時代の自動運転社会を想定し、ブロックチェーン技術を利用した自動運転者の交通管理の仕組みをシミュレーションするアプリケーションを研究開発した。この研究成果は、2020年度に発表予定である。

[icon name=”angle-double-right” class=”” unprefixed_class=””] ネットワークパケットの可視化

IoTデバイスのセキュリティを守るためのネットワークパケットの可視化アプリケーションを開発した。この研究成果をインドの研究者と共著で発表した。

各方面との連携

まず、インド側との連携に関して、前述のフレームワークやアプリケーションをインド側の研究者と連携をして、論文を共著で研究成果として発表した。

次に、他のWPとの連携に関して、2019年度もWP3の研究者らと研究内容について議論しながら進めた。

最後に企業との連携に関して、インド企業との連携を模索するための調査に取り組んだ。その調査内容を発表した。またオンライン会議を通じて、インド企業との連携の可能性について、インド側の研究者と議論した。