2019年度は、

既に開発した日本語版SPOC(Small Private Online Course)教材を用いた教育実践を行う。ラーニングアナリティクス(LA: Learning Analytics)により教材コンテンツの問題点を洗い出し、解決・改善を図るとともに、閲覧システム自体の問題点を洗い出し、解決・改善を図る。また、英語版SPOC教材を基にMOOC(Massive Open Online Course)教材の開発を実施する。さらに、インド側を中心にセキュリティ教育のためのシリアスゲーム教材の設計・開発を行う。

WP5|実施報告

日本語版SPOC教材を利用した教育実践とWeb教材システム

既に開発した日本語版SPOC(Small Private Online Course)教材を用いた教育実践、WP6の演習を通した教育実践を行う予定である。そこで教育実践の前に、教材コンテンツの内容の充実化を図った。まず、他WP1からWP4のこれまでの研究成果をまとめたショートビデオの作成を行い、本WPの中間評価時の発表資料として利用した。さらに研究成果の教材コンテンツ化を行っている。

次に、日本語版SPOCを基にインド側の協力を得て英語版SPOCを開発し、連携国のそれぞれの大学内で教育実践を行う予定である。同様に、ePubに対応したWeb教材閲覧システムを学生に提供、LA(Learning Analytics)を実施し、教材の閲覧データから教材コンテンツの改善、さらには閲覧システム自体の改善を図る予定である。

一方でWeb教材開発支援システムに関する研究としては、既に開発した 360度VR動画 を用いたWeb教材開発フレームワークに小テスト機能を追加するフレームワークの開発を行った。また、3次元CGによるWeb教材開発フレームワークに小テスト機能を追加したフレームワークについて、IoTセキュリティ以外にも適用できるように拡張し、その成果を論文誌に掲載予定である。さらに、3次元CGによるWeb教材開発フレームワークについて、対話的な編集機能により従来よりも簡便にWeb教材の開発が行える機能の追加を行った。

英語版SPOC教材を基にしたMOOC教材の開発

英語版SPOC教材を基に、MOOC教材の開発を実施する予定である。前項のコンテンツの充実化を受け、WP1からWP4の研究成果をまとめたショートビデオの作成を行っており、今後はこの内容を展開、MOOC講義用資料を作成し、

「個人と組織のための最先端サイバーセキュリティ入門・増補版」(講師: 岡村耕二教授)

として開講する予定である。

Unity 3Dを使用したシリアスゲームの開発

日本側から情報提供したサイバーセキュリティを学習するためのシリアスゲーム教材の開発を、インド側が中心となり、Unity 3Dを使用してゲーム教材(RPG: role-playing game)の設計・開発を行っている。今後、「Tin Can API (正式名称: Experience API)」を使用してMoodle(LMS: Learning Management System)と統合する予定である。そこで日本側で独自にゲーム教材の開発が進められるように、これまで開発を進めてきた3次元CGによるWeb教材開発フレームワークにロールプレイ機能の追加を行っている。この成果は、2020年7月開催予定のCISIS-2020国際会議の査読付き論文として発表予定(採録決定済)である。