全体概要
IoT 空間は、様々な情報を収集し、それらの情報を高度に解析した結果をフィードバックすることによって、人々の生活を劇的に変化させることができることから第4次産業革命とも呼ばれ、その実用化が世界中で期待されている。IoT 空間の実用化の鍵はセキュリティの確保にある。本研究の目的は、IoT 空間を安全にするための研究開発を総合的に行い、「安全な IoT サイバー空間を実現」することである。本研究では、複雑な IoT 機器、ネットワーク、サーバおよび様々な情報で構成される IoT 空間のセキュア化を、インド工科大学・デリー校と九州大学のそれぞれ得意とする研究領域を融合させ実現する。本研究では、IoT 空 間サービスを提供する人間やそのサービスを利用する人間が安全に IoT 空間を利用するための訓練や教育を含めている所も特徴の一つである。本研究によって IoT 空間そのものの実用化と、IoT 空間を安全に利用するための人間のリテラシの向上が同時に可能となり、真の IoT 時代の到来を加速させることが期待できる。特に、インドでは多くの社会インフラへの ICT による支援が期待されているため、本研究成果の還元によるインド社会への貢献が大いに期待できる。
本研究では、IoT 空間を安全にするための6つの研究課題を決定し、それぞれの課題を担当する WP(Working Package)を日本側、インド側で構成した。
- WP1| IoT 用の安全な組み込みシステム
- WP2| セキュリティ指向低消費エネルギー IoT プロセッサシステム
- WP3| 安全な IoT 空間クラウド
- WP4| 安全な IoT アプリケーション
- WP5| 脅威情報を利用した IoT 専門教育
- WP6| サイバー演習装置を用いた IoT スペシャリスト育成教育
全体の体制図と工程表
本研究では図.1に示すように、課題横断的なグループ(デバイスシステム、教育、データ)を作り、WP同士で相互に連携した研究体制を整え、研究を進めている。
図.2には各 WP の研究計画を示す。